足りないワクチン Short of Vaccine
足りないワクチン
「ワクチンをもっと早く多量にほしかった」という声は道内の関係官庁、病院のほか特にお母さんたちの切実な声だ。ワクチンを接種して発病したという例も少ないようだし仮に発病したとしてもかるくすんでいるようだ。小児マヒには「1にも2にもワクチン」というのが防疫対策の唯一の方法だといわれている。旭川では昨年夕張地区で盛んに発生していた6月下旬、ワクチンの手持ちは1本もなかった。すでに7月上旬頃から猛威をふるい8月末には患者59人をだし、その翌月上旬ようやく2797人分の特別割当をうけ、希望者に対して抽選までして割当てたが、接種の段になったら約500人が棄権した。ワクチンが足りないと大さわぎしていながらなぜ棄権したのか、その理由をどうみるべきかが問題だ。下火になったため「ノドもと過ぎれば」の類に解釈する人もあるようだが、旭川にある保健婦は「ワクチンが公立病院で1回分600円」、私立病院で1000円も1500円もとるところがあり、月収の少ない家庭では小児マヒはおそろしいが、やはり目先の出費が高くて接種をしない家庭が多いようです」と語っていた。絶対量の不足とともに接種料の高いところに問題があるようだ。ワクチンの3回分が1800円から4500円という負担は一般の家庭にとって決してかるいものではない。ワクチンの申込みの不足、割当棄権の原因もそんなところにあるのではなかろうか。それにしても、この1月から強制接種の朗報を発表しながら国産ワクチンの量産により輸入を制限しおまけに国産品が検定不合格のため、今年の流行機に間に合わないとは、どうしたことだろうか。