子どもが家庭を持つ権利
インドにおける里子養育の振興と子どもの保護のための代替的プログラムの促進
CHILD’S RIGHT
TO A FAMILY
PROMOTING FOSTER CARE AND
ALTERNATIVE PROGRAMMES FOR CHILD PROTECTION IN
インド、ムンバイ(ボンベイ)
政府マハラシュトラ児童福祉委員会委員長。
ニリーマ・メータ博士
DR. NILIMA MEHTA, Mumbai -
President, Government
1.インドの子ども保護:進化するシナリオ
子どもたちは、社会で最も傷付きやすいものであり、国にとってもっとも貴重な資産です。社会的・経済的状況は、しばしば家族の危機と崩壊を通じて、子どもの貧困をもたらします。
施設保護は、子どもを家族の環境から遠ざけます。 大きな、没個性化された施設における、つらい経験は、「施設児症候群」も、長期的な、情緒と心理と適応の障害を伴いながら、もたらすかもしれません。 施設保護のコストは、家族を基礎にした代替的な養育に比べて、ずっと重いものです。
ですから、危機に瀕した家族には、代わりに、家族ベースで地域に根ざした選択肢を通して、金銭的援助を提供するほうが良いです。そうすれば、子どもは施設ではなく、家庭環境で養育をしてもらえます。
インドは、子どもが家庭で育つ権利を強調する「国連子どもの権利条約」(UNCRC)を、1992年12月に批准しました。
パラダイム・シフト、考え方を大幅に転換する必要があります。すべてのレベル、政策、計画において、子どもの保護のための「権利に基づいたアプローチを行ってください。 私達は、子どもの身体的、社会的、情緒的、教育的な必要性が、慈愛に満ちた家庭環境で満たされることを、保証するよう努力しなくてはなりません、 理論的、組織的に、「保護を必要とする子ども達の世話と保護」(CNCP)とともに働きます。
私達は、傷つきやすい子どものために、予防的、地域に密着型の、家族に根ざした、施設型でないサービスを行うために、活動を広げるべきです。 政策当局者、政策立案者、市民社会に、この新しい哲学についての認識を広げることが重要です。 そうすれば、子どもの権利条約(CNCP)の姿勢と認識に、変化が見られるでしょう。 効果的にコミュニケーション戦略とメディアを使うことで、子どもの保護についての姿勢や仲介が、変化を速めるでしょう。
2.施設に代わるサービスの概観。
養子縁組
「養子縁組み」は、孤児や貧窮した子どもにとって、施設ではないサービスの中では、最良のものです。家族での永久の養育を提供しますから。 生物学的な(生みの)家族は、できるだけ支援され、保護されるべきです。 どの子どもも、経済的理由だけのために、生みの親からの養育の機会を奪われるべきではありません。
生みの親が、やむを得ない状況のために、永久に子どもを放棄する場合、 養子縁組みは、貧窮した子どもにとって、最良の選択肢です。 養子に行く前に、いくつかの形式的手続きが必要です。
子どもが新しい家で身体的、情緒的、経済的、安全な管理を受けることを保証するために。 養子縁組みの前に、養親希望者が親としての心構えをもてるよう、カウンセリングが行われます。
子どもは自分の社会的・文化的な環境に最も良く適応しますから、
国内養子が優先されるべきで、国際養子はその次の選択肢にするべきです。
施設にいる全ての孤児と貧しい子どものために、恒久的な生活の場所を提供するための、緊急調査に着手するべきです。子どもたちがいつまでも、施設で悩み暮らさなくてもすむように。
里子養育
里子養育は、子どもたちに、養育家庭での短期的、長期的な代理養育を提供します。 その子ども達とは、親が病気、死亡、片方の親が放棄、あるいは他のいずれかの危機のために、養育が受けられない場合です。
未婚の母が、子どもを放棄することを防ぐ事業にも使われます。母親が、養子に出したくはないが、一時的に支援を必要とする場合です。
里子養育においては、子どもは、状況により、短期または延長された期間、別の家庭に置かれます。 通常、子どもの生みの親は、定期的に面会に来て、やがて更生の後に、自分の家に戻るかもしれません。
里親を決める前に、里親としての適合性、能力と動機づけを調査することが重要です。その家は、できるだけ子どもにとって、民族的、社会的、文化的、そして経済的に近くなければなりません。 この互換性は、自然の家から里親へ移行する際の調整プロセスを促進します。そして、逆もまた真です。 子どもの情緒のトラウマが最小になるように。 里子養育計画では、養育家庭に金銭的援助を提供しなくてはなりません。 子どもに対するものと同様に、自然の親に対しても、その更生ができて、もしできれば、その子どもを返してあげられるように、支援するためです。
後援(スポンサーシップ)
スポンサー・プログラムは、子どもに教育や他の必要なものを満たすことができない親に対して、追加的金銭的援助を提供する方法として、現在最も効果的なプログラムの1つとして認識されています。 スポンサー援助は、子どもたちの教育的、医療的、栄養的、そして他の必要なものを満たし、一般的な生活の質を高めます。
スポンサーになることのユニークな特徴は、子どもが家族から連れ去られることなく、家族環境の維持を楽しみ続けられるということです。 それは健全な成長に必要です。 家族とともに働くという意味で、スポンサー事業は大変優れています。
教育プロセスを通して、家族は独立する権限を与えられます。 長期の再建計画は、持続可能な発展のためにも練られます。 このプログラムの実行のために、個人ごとの助成金、グループ助成金、地域ごとの助成金というような、種々の選択肢があります。
昼間の(デイ)ケア/ 夜間養育のシェルター
昼間の(デイ)ケア/ 夜間養育のシェルターは、昼か夜の間に、仕事を持つ母親や片親が、働いている時間だけの間、子どもが里親家庭に行くサービスです。 この計画は、それがなければ、里親に一日中引き渡さなければならない「危険な状態の家族」を引き留めるのに、役に立ちます。
近所の家族を結びつけることによって、NGOは、この種のサービスを提供することができます。 デイケアを提供してくれる人を探し、協力してもらいます。 子どもたちは、育児所、デイケアセンター、夜間シェルターのような場所で、グループで世話を受けることもできます。
家族援助
このサービスは、一時的な危機の状況を克服するのを手伝うことで、特に「危険な状態」の家族のために有用です。 家族の崩壊に至るかもしれない、失業や家族の病気のような場合に。 家族への生活の保護仲裁の目的は、独立心を植え付け、家族の容量を大きくすることです。 収入を増やす計画を通して、財政的に独立するようにし、この計画は自営の機会を家族に提供します。例えば野菜の直売所、仕立屋、靴直し、小さな家庭ベースの仕事など。収入を増やす計画を通して、財政的に独立すること。 これは危険な状態にいる家族にサポートを提供し、経済的理由のために子どもたちを施設に入れることを防ぐ、もう1つの案です。
コミュニティーセンター
少年少女指導局家族カウンセリング・センターと子ども指導クリニックです。弱い子どもたちの当然の貧困は、都市のスラムの方が、社会的・経済的に深刻です。
地域に密着した、計画的な救済活動サービスとは、 カウンセリング・センター、子ども指導クリニック、少年少女指導局、家族サービスセンターのようなものです。 地域共同体は、援助と指導にちかづけるように、準備されます。 これら、多目的のカウンセリング・センターは、少年犯罪、家族分裂と施設入所を管理するのに、大変良いです。
カウンセリング
カウンセリングは、施設以外のサービスの中で、最も統合された、無形の構成要素です。必要な精神的支援を受けることで、「危険な状態にある」家族が、危機的状態にうまく対処できるだけの、自分の強さを得て、助けられます。 それで、子どもたちを施設に入れることを問題解決の手段に選ばなくてすむようになります。 カウンセリングサービスは、自身の対処メカニズムが、うまく行かないとき、再び安心感を与えます。 プロの仲裁が、危機を乗り切るのを手伝うでしょう。
3.2000年少年少女裁判(養育と保護)法
2000年少年少女裁判法は、慈愛に満ちた家族と環境を持つ、子どもの権利を保証する準備をしています。 この法律の条項は、里子養育計画の開発のために、傷つきやすい状況にいる子どもの保護を保証します。
この法律は、つぎのように宣言しています。
a.「注意と保護を必要としている子ども」とは、次のような子どもを意味します。
1).家、安定した場所がなく、生存するためのいかなる表面的手段もない者。
2).子どもの保護者であるか否かにかかわらず、子どもを殺したり、怪我をさせたしする、あるいはそうしそうな恐れがある、誰かと一緒に住む者。 あるいは、他の子どもを殺し、虐待し、ネグレクトしたことがある、あるいはしそうな恐れがある人と一緒にいる者。
3)精神的、身体的な障害を持ち(挑戦する)、あるいは、末期の病気を持ち、しかも誰も支援してくれない者。
4)親や保護者が、親や保護者として適さない、またはその能力がない者。
5)親がおらず、世話をしてくれようとする者がいない者。またはその子を捨てた親、行方不明の親、逃げた親、ひどいケガの後見つからない親を持つ者。
6)はなはだしい虐待、拷問、性的虐待、搾取といった、違法行為の目的で利用される可能性が高い者。
7)傷つきやすく、麻薬や人身売買の取引の対象になりそうな者。
8)非道なもうけのために虐待される恐れが強い者。
9)武力紛争、民間の動乱、天災の犠牲者である者。
4.「更生(リハビリ)のプロセスと社会的再統合。
子どものリハビリと社会的再統合は、子どもたちの家や特別な家にいる間に始められるべきです。 リハビリと子どもたちの社会的再統合は、次のような代替策のもとに進められるべきです。 (i)養子、(ii)里子養育、(iii)スポンサーシップ、(iv)アフターケア組織。」
里子養育:
(1)里子養育は、究極的に養子になるために一時的に利用することができます。
(2)里子養育では、子どもは、短期、あるいはそれ以上の機関、別の家に措置されます。それは環境に左右されます。生みの親は定期的に子どもに会いにくることが多く、しばらくするとそこに帰ることになるかもしれません。
(3)州政府は、子どもたちの里子養育プログラムの計画を進めるための目的を、規則にするかもしれません。」
修復:
(1)子どもの修復と保護は、どんな形であれ、子どもたちの家やシェルターの主な目的であるべきです。
(2)一時的に、あるいは永久に、家族環境を奪われた子どもたちの家やシェルターは、子どもの修復と保護に必要と思な段階を踏むべきです。 事例によってですが、家に養育と家やシェルターの保護を受けられるような場所。
(3)委員会は、ケースバイケースにより、養育と保護を必要とする子どもを、親、保護者と適当な人や団体に回復させ、適当な指示をする権限を持つべきです。
説明:
この節の目的として、「子どもの修復」とは、(a)親が育てる 、(b) 養父母が育てる、(c) 里親が育てる、ことを意味します。
5.里子養育、インドにおける概観。
里子養育は、子どもたちに代替的家族を、一時的、長期的に提供する児童福祉サービスです。 養子に出すには、法律的に自由でない子どもで、生みの親がひどい危機、死、放棄、病気あるいは、子どもの最大の利益を危険にさらすような危険がある場合です。
児童福祉として仲裁する第一の目的は、家族崩壊の防止で、慈愛に満ちた安全な家族環境で育つ権利を保護します。 家庭の中にいる子どもの権利を認識し、一時的な危機を避けることを保証されるべきです。 もし子どもが元々の、生みの家族と一緒に住むことができないなら、次の最良の選択肢は、自身の自然の家と同じぐらい自然な、社会的・文化的な背景が近い、代りの養育家庭でしょう。 伝統的に、「養育と保護を必要とする子ども」(CNCP)という団体は、インドで、共同、あるいは延長された家族によって、養育を行いました。 今日、長期の施設保護は、最後の選択肢と考えられています。そのため、施設以外の養育サービスを促進する必要があります。 インドでは、社会的・文化的な面で、家族と親類の関係はまだ強いです。
子ども自身の親類はが、困難な危機の状況において、適切な金銭的援助を受けて、里子養育計画により、子どもを養育するよう奨励されるべきです。
里子養育プログラムの目的は、子どもたちに、一時的、あるいは長期の養育を提供することです。 法律的に、自由に養子になることができない子ども、自分の親がひどい家族危機、死、片親、放棄、病気、子どもの生活の保護を危険にさらす、他のいずれかの状態のために、世話が不可能な。 目的は、家族の状況が良くなったとき、やがて子どもを自身の家族に再統合させることです。 特に困難な状況で代りの家族を提供することによって、施設に入るのを防止します。
6.里子養育のタイプ
・ 養子の前の里子養育
子どもを養子にする見込みがある里親。
・ 子どもたちのために養子を待つ里親。
捨てられてから養親になるまでの中間にいる里親。
・ 短期の里子養育
家庭の危機的状況の間
・ 長期の里子養育
法的に養子になりにくい子どものために
危機的状況にいる片親の子ども
・ 昼間の里親デイケア、夜の里親ナイトケア。
シングルで働いている親のために。
昼か夜だけの間の養育
・ グループホーム
グループホームの子どもの数は最大6人。
里子養育の重要な面。
・ 里子養育は、困難に直面した家族のための、家庭的、地域密着、予防的、非施設的なサービスです。
・ 子どもが家庭にいる権利を保証します。
・ 子どもが施設に入るのを防止します。
・ 子どもが施設から出るのを促進します。
・ 家族状況が良くなれば、子どもを彼の出生の家族と再統合することを目指します。 もしそれが子どものリハビリに必要なら、他の適当な方式を探してください。
7.プログラムの構成要素
識別しやすい、養育家族の適合性を算定しています
子どもの親族や拡張家族が里親になることの、判定と動機。 それは、インド社会では、親類関係が緊密なため、重要です。 もしこれが、できなければ、近所の家庭でも、どんな無関係な養育家庭でも、 社会的・文化的な環境が、子どもの出みの家族に似ているかどうかが考慮に入れられるべきです。 児童福祉政府機関は、養育家族を見極める努力をしなくてはなりません。 やる気満々で、子どもたちのニーズを理解し、保育経験を持っている人かどうかを。 養育家庭と里子の関係を決めるには、いろいろな互換性を、選択と査定の時点で考慮すべきです。 兄弟でなければ、一つの養育家庭は、できるだけ2人以下の里子しか受けないようにするべきです。 養育家族の自宅研修のために、一定の基準に基づいた研修計画の用意が不可欠です。
子どもたちの資格
・ 孤児や貧困の子ども。 養子にするには法的に困難な場合。
・ 里子にならなければ施設に入らざるをえない、
・ シングルペアレントの子ども。
・ 障害などのスペシャルニーズを持っている、そのままでは家族崩壊の危機にある子ども。
・ 現在施設にいるが、そこから自分の家に出られそうな子ども。(脱施設化)
・ 里子になる資格を持つのは、0歳から18歳の子どもです。
措置、金銭的援助、カウンセリングと監督。
子ども、実親、里親は、里子養育について、子どもの措置前に、適切な準備を受けるべきです。 里親は、子どもに慈愛に満ちた家族環境を提供する責任があります。 里親は、計画された期間の間、手当を受け、時々が再検討を受けるでしょう。
養育家族は、里子養育の間、カウンセリングと指導を受けるでしょう。 政府機関は、措置した子どもの定期的なフォローアップを続けるでしょう。
生みの親の更生。
もしその子どもに実親がいれば、最終の目的は、もともとの親に返すことです。 すべての努力は、子どもができるだけ早く、自分の生みの家族に戻るように、生みの親が更生するようサポートを提供すべきです。
広報と共同体参加。
より多くの家庭に里子養育を申し出られるよう、適当な広報事業を行うべきです。 地域で、里子養育の必要性とその意義に関する自覚を促すよう、脱施設化の事業を始めてください。
訓練、方向づけと幅を広げること。
里親候補に対する、動機付けと、幅を広げる計画。 それは養育のレベルを確保し、里子が必要とするものを理解するのに不可欠です。 社会福祉士に対する内部研修と動機付けも、効果的に計画を進め、里子養育事業を管理するため、彼らの知識と技能を向上させるため、同じく不可欠です。
NGOの資格
里子養育計画は、登録された、どのようなボランティアの社会的な児童福祉組織によってでも、行うことができます。 家族と児童福祉の事業についての、十分な経験を持っているのであれば。. そのようなNGOとは、滞在型でない事業を行っている場合には、滞在型の施設や組織でも良いです。 けれども、専門的な社会福祉士の資格を持つ、里子養育プログラムの効果的な実施のために研修を受けた、十分なスタッフを、擁している場合でなければなりません。
里子養育委員会の構成と機能。
NGOによる里子養育事業においては、里子養育委員会を設けるべきです。 政府機関からの2人の代表者を含むこと。 事業を進め、実行する社会福祉士、上級児童福祉士、そして、政府の女性と子ども担当課の代表者が、着手します。
8.実行のためのメカニズム
a) この計画を実行する政府機関は、2000年少年少女裁判所法に基づき、政府に任命された児童福祉委員会から、子どもたちの問い合わせを受けるかもしれません。 あるいは、施設にいる子ども達から、脱施設化についての意見を求められるかもしれません。あるいは、地域共同体から政府機関によって指定された子どもからも。
b) 政府機関は6カ月ごとに、女性と子どもの発展理事会に、次のような点について、報告するべきです。
1) 受け取られた手当の証明書。
2) それぞれの子どもの管理のフォローアップ報告。
3) 里子の整理統合された陳述。
c) 最終的に、里親の適合性、能力と動機づけを査定することは、最も重要です。 そしてその養育家庭が、できるだけ子どもの民族的、社会的・文化的、経済的の背景に近いことを保証すること。 この互換性は、子どもの情緒的トラウマが最小にするに当たって、出生家族から里親家庭への調整プロセスと移行を容易にします。そして逆もまた同様です。 里子養育計画は、子どもの養育にあたって、里親に適切な金銭的援助を提供しなければなりません。 生みの親が更正し、できれば子どもがそこへ戻れるようにサポートすることも必要です。
モニタリング、監督とフォローアップ
通常の指導とフォローアップは、その効果的な実行を保証し、そして子どもが養育家庭で幸せで、精神的に安定することを保証するために、里子養育プログラムの重要な要素です。
終了と評価
生みの家族が更生し、子どもを再び迎え入れる準備ができた時、里子養育の使命は終わります。 通常の評価と、その有効性を調査するために、里子養育計画の影響の調査を、行わなければなりません。
9.既存の里子養育計画から学ぶもの
里子養育についての国際的な見通しを作るとき、世界中そしてインドで、里子養育事業の実施から「学んだこと」から、活用可能な多くの経験があります。
・ 里子養育の概念と実行について、明確に定義された場合にのみ、里子養育事業の成功があり得ます。 そして、効果的な実行に向けて応対可能な、適切な支援を行えるプロのスタッフがいる場合だけ。
・ 養育家庭になろうとする者についての、非常に徹底した査定が必要です。 里親になろうとする動機は、経済的なものであってはなりません。傷つきやすい子ども達を養育しようとする、前向きで誠実な動機づけを持っていることが重要です。
・ 時々、滞在型の施設のような伝統的な施設から、里子養育に対する抵抗があります。それらは、里子養育制度に対して寛容ではありません。 それが、施設の子どもの数を減らすからです。
・ スペシャルニーズ(障害)を持つ子どもたち、あるいは深刻な行動障害を持つ子どもたちを、引き受ける家庭を探すことも、容易ではありません。
・ 里子養育のようなファミリーベースの事業にとって、政府予算の不足は、その実施に当たっての大きな抑止力になります。 里親手当は不十分です。
・ 子ども自身が参加する権利も、尊重される必要があります。 養育家庭を選ぶ際に、子どもの意見を聞くべきです。その養育を継続するかどうかについても。
・ 事情の必要性に応じた養育家族の選定も、同じく非常に重要です。大惨事、武力衝突のような特別の事情は、自然環境から発生するものではありません。
・ 長期の里子養育には、家庭の財産の所有資格と相続の問題が発生します。この点についての子どもの、法律上の地位は、あいまいです。
・ 里子養育手当の適切な使用、養育家庭の査定と指導の困難についての、政府の問題もあります。 なぜなら、滞在型の施設と並べて比較されると、子どもの監督の面では弱いですから。
・ 幅広い、社会的・文化的な違いと、典型的な家族構造のために、家庭が無関係な背景にある子どもを養育するという動機は、なかなかできません。
・ 里子養育事業についての、適切な国民的意識はまだありません、それで、あまり多くの家庭が、里子養育をしようとはしていません。
・ この事業では、役割と、様々な財政的支援者の役割を、明確に定義する必要があります。 それぞれの人々が、それぞれの責任を果たせるように。
里子養育事業を成功させるためには、これまでに述べた点のいくつかを行うことが重要です。
10.結論
考え方の大幅な転換が必要です。「生活保護」から「発達」へ。「ニーズ」から「権利」へ。「施設保護」から「家族に基礎をおいた代替養育」へ。
これらは、「危険な状態にある家族」と、「注意と保護を必要とする子どもたち」のために、仲裁に入る戦略を大幅に変えるものです(CNCP)。これまで、 捨てられたり、貧窮した子ども達には、滞在型の施設を容易してきました。
しかし、将来的に強調されるべきなのは、代わりに家族ベースの養育の場を広げ、子どもが家庭を持つ権利を保証することです。
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<仮訳者からの注記>
これは、韓国里子養育父母協会Korean Foster Care Association,
KFCA (韓国里親会)が開催した、「アジア子どもの権利と里親会議2006」(2006年9月15日(金)〜16日(土)、韓国ソウル市)」における、発表論文英文を、パソコンの機械翻訳ソフトを使って日本語に翻訳したものである。
ホームページ上での発表については、発表者及び韓国里子養育父母協会の承諾を得ている。
役者はプロの翻訳家ではなく、必ずしも正確でない部分があるが、日本語の文献が少ない分野であるため、あえて公開することとした。
何かの資料としてお使いになる場合には、原文を参照されるようにしていただきたい。
英文の著作権は韓国里子養育父母協会、翻訳されたこの和文の著作権は翻訳者中兼正次にあるので、使用に当たってはそれぞれの承諾を得ていただきたい。
中兼正次 。
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