児童虐待と家族のネグレクト

Child Abuse and Neglect in Family

 

イ・ベグン

韓国青年カウンセリング研究所長

                 Yi Bae Keun

 (President, Korea Youth Counseling Institute)

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I. 韓国の子どもの保護政策の歴史

 

1.子どもの保護のための法律

 

  過去10年間に、韓国の子どもの問題は、21世紀を新しくスタートさせるに当たって、ある意味でアーチ状の政策と行政分野に到達しました。

 家族と社会を変えるために、児童福祉法改正のような立法活動は、様々な、拡大された子どもの問題に対する回答でした。

 一般に、大多数の韓国の子どもは、自分の親と一緒に、良い条件下で生長します。学校教育と子どもの健康は、概して良好です。

 しかし、1997年から2000年まで、IMFから指導を受けた経済危機は、多くの子どもとその家族に、影響を与えました。韓国はある意味で、先祖を敬い、犠牲的な精神を持つ孔子の教えを継承し、子どもに愛と保護の考え方を持つ、長い伝統を持っています。

  三代の王様の時期、ユーリ国王、第5代シラ国王は(?)、親や世話をする人がいない子どもを養育するように命じました。

 韓国の世宗大王は、994年、リスクがある10歳になるまで、養育するようにする公共システムを作りました。

 チュンジョ王Chungjoは、1783年、李王朝の第22代国王ですが、捨て子やストリートチルドレンを育てる法律を作りました。

 しかし、近代化された養育と保護施設ができたのは、1900年代初頭に、クリスチャンのミッションが来て以来です。

 日本から解放された直後、少年労働法が制定されました。共和国の最初の政府から現在に至るまでに、少なくない数の子どもの福祉と保護に関する法律が、次のように制定されました。

 

   1) 第1代から第2代にかけて政権。

   1949年教育法。1953年労働基準法。 

   2) 第3代から第4代の政権。

   1961年児童福祉法、生活保護法。児童保護法。

   1967年学校健康法、1973年母子保健法、1977年特殊教育振興法。

   3) 第5代から第6代の政権。

   1981年、改正児童福祉法、障害者生活保護法、幼児教育振興法。1987年青年教育法、1991年幼児・入院未就学児法。

   1998年家庭内暴力防止法、1999年青年保護法、2000年改正児童福祉法。これは、身元確認、児童虐待・ネグレクトの防止などのための改正です。

   改正児童福祉法により、通報システム、虐待の疑いのある家庭への仲介、親子の分離について、法廷が虐待者に命令するなどの活動ができるようになりました。

 

2.子どもへの愛と保護の運動

 

 1921年、イギリスのエグランチン・ジェブが子どもの権利について提唱する1年前ですが、韓国の市民運動は Eglantyne Jebb の1年前に、子どもを愛し、守るための韓国の都市の運動が始まりました。教養を身につけた社会のリーダーと、知恩道 (チオンドウ、Cheondoism 韓国の土着宗教)(訳注:知恩とは、親や君主の恩を知る、の意)によって、自然発生的に生まれたものでした。

 この運動により、1923年、こどもの日が制定され、5月5日は国民の祝日になりました。

 1957年、子ども憲章が制定されました。それは1988年に改正されました。

 1979年の国連児童年、1981年の国連障害者年、1985年の国連青年年が、子どもと青年に対するサービス事業を改善するよう、政府とNGOを前に押しやりました。

  子どもの権利の提唱と振興と同様、子どもの人権会議(CRC)を批准しました。その実行のため、学校と市民社会、にその内容を説明し、NGOを組織化することによって、ユニセフ韓国は重要な役割を演じました。

   1989年、ユニセフ韓国と韓国生活保護財団が、韓国児童虐待・ネグレクト防止協会(KAPCAN)を組織化しました。

 15年以上の間、この協会は、子どもへの暴力と虐待に対して、子どもの権利のシステム、手続きと実行方法を開発しました。

 「良い近所の人」というNGOは、児童虐待防止事業のために、全国的に1996年から活動しています。1983年、韓国子ども保護財団が立ち上がりました。

 1999年、虐待されたりネグレクトされた子ども達のための、グループホームができました。それは、これらの子どもを保護するだけではなく、その子どもや青年の声を外に表現しました。

 1991年、韓国児童組織評議会が、そして1992年に韓国児童福祉協会が設立されました。

 1995年、青年暴力防止財団が設立されました。

 1997年、韓国児童権利協会が設立されました。これは、教授と福祉を職業とする人たちが勉強し、子どもの権利についての指針を作るなどが目的でした。

 2000年から、中央と地方に39カ所の児童虐待防止センターが設立されました。

 これは、児童福祉法改正と合わせた動きで、危険な状態の子どものために、政府とNGOが努力した結果でした。

 

U。 ごく最近の児童・家庭問題

 

 1960年代から1970年代にかけて、貧困から抜け出すことが、家族と社会の最大の目標でした。そして結果として、韓国は漢江の奇跡を達成しました。

 しかし、不安定な社会的、政治的な状況が、1997年遅くから、望まれない、意外な経済危機を引き起こしました。

 その時から、1960年代から70年代にかけての目標とは異なる、貧富の差の克服が、架台になりました。

 

 ごく最近の家族問題は、出生率の突然の低下で、2006年に1.08を記録しました。

 韓国で増加する子どもの問題には、この他に、虐待、ネグレクト、捨て子、行方不明などが含まれます。

 高齢人口の増加、家族の混乱、失業と極貧家族など、社会問題と関連した子どもがいます。

 

1.家族構造の変化と子どもの減少

 


表1. 家族構造の変化

Table 1. Change of Family Structure (%)

 

1975

1980

1985

1990

1995

2000

Nuclear Family 核家族

71.9

73.1

73.3

74.1

73.7

72.9

Extended Family 拡大家族

21.1

18.2

16.3

13.9

11.6

10.2

Othersその他

7.0

8.7   

10.4

12.8

14.7

16.9

  厚生省2006        Resource: Statistics of the Health and Social Affairs, 2006

 

 上の表に見せられるように、核家族は、1975年の71.9パーセントから、2000年の72.9パーセントに増加しました。

 一方、祖父母と一緒に住む拡大家族は、1975年の21.1パーセントから、2000年には10.2パーセントにまで減少しました。

 その結果、家族数は、1975年の5.0人から、2005年には2.9人まで減少しました。

 

表2.家族数の平均

Table 2.  Average Number of Family Members

 

1975

1985

1995

2000

2005

Average Numbers of Family Members 平均家族数

5.0

4.2

3.7

3.1

2.9

   厚生省2006            Resource: Statistics of the Health and Social Affairs, 2006

 

  総人口中の18歳未満の子どもの数は、1975年の46.3パーセントから、2005年には24.2パーセントにまで減少しました。

 家族の年少人口の減少は、子どもの保護に関して自制心の欠如と子どもの肥満などの問題を引き起こしました。

 

 

 

 

 

 

 

表3.児童人口の推移(単位:1,000人)

Table 3.  Change of Child Population (unit: 1,000)

 

1975

1985

1990

1995

2000

2005

Total Population

総人口

35,281

40,806

42,869

44,851

47,008

48,294

Child Population

児童数

16,351

15.013

14,489

12,800

12,904

11,689

Rate of Child

population (%) 

児童の比率

46.3

36.8

33.8

28.5

27.5

24.2

  厚生省2006             Resource: Statistics of the Health and Social Affairs, 2006

 

2.離婚率の上昇

 

 家族構造の最近の速い変化と、核家族の増加は、基本的に、家族内の激しい対立によるものであり、離婚率を上昇させています。

 国立統計事務所によると、離婚は、1983年には17組に1組の割合でしたが、1993年には7組に1組、2000年には3.5組に1組の割合にまで増えました。

 2005年、128,500組のカップルが離婚しました。

 平均離婚年齢は、男性が40歳、女性が37歳でした。離婚カップルのうち70パーセントには、20年未満の子どもがいました。

 

表4.離婚率の傾向

Table 4.   Trends of Divorce Rate

 

1980

1990

1995

2000

2005

No. of divorce (unit: 1,000)  離婚数(1,000

23.7

45.7

68.4   

120.0

128.5

Crude Divorce Rate (CDR)  実質離婚率(CDR)

0.6

1.1

1.5

2.5

2.6

   厚生省2006            Resource: The Ministry of Health and Social Affairs, 2006

 

 離婚率の常勝に加えて、再婚率も同じく上昇しています。

 再婚率は、1995年には、男女とも10%でした。

 2005年には、男性18.9%、女性21.1%になりました。

 親の結婚によって、子どもが影響を受けます。

 

表5. 再婚率の推移(%)

Table 5.  Trends of Remarriage Rate(%)

 

1995

1997

1998

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

Men

10.0

10.6

11.6

12.8

13.1

14.7

15.4

16.5

18.2

18.9

Women

10.0

11.3

12.5

14.0

14.5

16.4

17.2

18.3

20.4

21.1

    厚生省2006         Resource: The Ministry of Health and Social Affairs, 2006

 

3.危険な状態にある子ども

 

 かつては、子どもを養育する権利をどう得るかが、離婚した親の重大事でした。しかし最近は、養育する義務からどう逃れるかが、離婚した人たちの重大事です。

 社会的孤児と呼ばれる、捨て子の発生率は、1990年代以降、急速に低下しました。1990年に1,844人だった捨て子は、2005年には429人になりました。

 しかし、虐待やネグレクトを含めた、危険な子どもの数は、1990年の5,721人から、2005年の9,420人にまで増えました。

 危険な状態の子どもの措置先は、半分以上が家族での養育ではなく、滞在型施設でした。

 しかし、表から分かるように、里子の数は、2004年から増えました。 <表7>  

  

表6. 危険な状態の子どもの統計

Table 6.  Statistics on the Children at Risk

 

1990

1995

2000

2004

2005

Abandoned Children 捨て子

1,844

1,227

1.270

481

429

Children of Unmarried Mothers 未婚の母の子

2,369

1.285

2,983

4,004

2,638

Missing Children 迷い子

360

149

144

62

63

Family Disorganization,家族崩壊

1,148

1,915

1,757

581

1,413

Runaway children 逃亡児

 

 

 

4.265

4.877

Total        

5,721

4,567

7,760

9,393

9.420

    厚生省2006             Resource: Statistics of the Health and Social Affairs, 2006

 

 

 

 

表7. 危険な状態にある子どもの措置の統計

Table 7.  Statistics on the Placement of the Children at Risk

 

1990

1995

2000

2004

2005

Placed residential care facilities 滞在型施設に保護

3,734

2,819

4,453

4,782

4,818

Foster family care 里親委託

1,134

505

1,406

2.212

2,322

Adoption    養子縁組

853

472

1,337

2,100

1,873

Placed as child headed family 少年少女家長世帯を形成

 

 

 

299

407

Total  計

5,721

4,567

7,760

9,393

9,420

   厚生省2006             Resource: Statistics of the Health and Social Affairs, 2006

 

4.少年少女家長世帯

 

 1985年から、韓国政府は、貧しい子どものために、家族ベースのサービスを強化し、18歳未満の子どもが家長になる家族へのサービスを開始しました。

 親がない、あるいは身体的・精神的に障害を持つ親と一緒にいる子どもによって率いられた家族は、生活、教育などのために、国や地方自治体から、助成金を支給されます。

 

 全国調査(い・バエケウン、1988年)によると、少年少女家長世帯が生まれた原因は、両親の死亡が25.1%、父親の死亡が57.8%、母親の死亡が4.2%、離婚などが12.9%でした。

 1990年代半ばから、厚生省は、子どもが家長の世帯に、家庭的な環境を与え、プロの監督と養育を施すため、グループホーム設置を計画しました。

 

 2005年現在、2,755の少年少女家長世帯に、4,332人の子どもがいます。

 そのような家庭の数は、次の表のように減少してきています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

表8.少年少女家長世帯の統計

Table 8.  Statistics on Child-headed Families

 

Numbers

Child-headed Family 少年少女家長世帯数

Numbers of Children

児童数

Numbers of children attending school 学校別児童数

Pre-

school

修学前

Primary

school

小学校

Middle

school

中学校

High

school

高校

Others

 

その他

1985

4,941

6,224

 

 

 

 

 

1990

6,696

13,778

 

 

 

 

 

1994

7,540

14,372

124

3,026

4,940

3,892

2,390

1998

8,407

13,627

150

2,428

4,515

5,141

1,393

2000

6,229

9,579

121

1,862

3,217

4,041

338

2003

3,994

6,184

99

1,309

1,966

2,668

142

2005

2,755

4,332

85

901

1,343

1,923

80

  厚生省006     Resource: Statistics of the Health and Social Affairs, 2006

 

 

V.韓国の児童虐待とネグレクト

 

 韓国の児童虐待の人数を、完全に正確に数えた統計は、見あたりません。

 しかし、いくつかの限られた研究によると、家庭内の身体的児童虐待は、減少してきているものと思われます。

 

    (訳注:表9の統計数字の説明。省略)


表9.児童虐待の型(人数、%)

Table 9. Types of Child Abuse (Number of children (percent))

 

2001

2002

2003

2004

2005

Physical abuse

身体的虐待

476(22.6)

254(10.3)

347(11.9)

364(9.4)

423(9.1)

Emotional abuse

感情的虐待

114(5.4)

184(7.4)

207(7.1)

350(9.0)

512(11.1)

Sexual abuse

性的虐待

86(4.1)

65(2.6)

134(4.6)

177(4.5)

206(4.4)

Neglect ネグレクト

671(31.9)

814(32.8)

965(33.0)

1.367(35.1)

1,635(35.3)

Abandonment

遺棄

134(6.4)

212(8.6)

113(3.9)

125(3.2)

147(3.2)

Multiple abuse

多面的虐待

623(29.6)

949(38.3)

1,155(39.5)

1.508(38.8)

1,710(36.9)

Total  計

2,105(100)

2,478(100)

2,921(100)

3.891(100)

4,633(100.0)

    厚生省2006          Resource: Statistics of the Health and Social Affairs, 2006

 

 2005年に虐待とネグレクトが起こった場所に関して、4,633人の子どもを分類すると、77.5パーセントが家庭内でした。

 


表10.児童虐待とネグレクトが起こった場所

Table 10.  Place where Child Abuse and Neglect occurred

Place where child abuse and neglect occurred  児童虐待とネグレクトが起こった場所

Numbers of children

児童数

Percent

構成比

In family       家庭内

3,589

77.5

Near home or on the street家の近く、道路

253

5.5

Relatives home         親類宅

84

1.8

Neighbours            近所の家

55

1.2

Nursery care room       乳児託児所

19

0.4

Day care center         デイケアセンター

65

1.4

Kindergarten           幼稚園

6

0.1

School               学校

44

0.9

Educational institute      教育機関

24

0.5

Hospital              病院

51

1.1

Welfare institution       福祉施設

97

0.4

Unknown             不明

19

0.4

Others               その他

327

7.1

Total                

4,633

100

      厚生省2006           Resource: Statistics of the Health and Social Affairs, 2006

 

 2005年に虐待とネグレクトをされた4633人の子どもの年齢をみると、10-12歳が25.8パーセントでした。7-9歳は22.9パーセントでした。13-15歳は18.3パーセントでした。

 性別では、2,353人(50.8%)が少年で、2,280人(49.2%)が少女でした。少年と少女の間に、差は見られませんでした。

 


表11.虐待とネグレクトされた子どもの年齢

Table 11.  Age of Abused and Neglected Children

Age年齢

under 1

1-3

4-6

7 - 9

10 -12

13- 15

16 - 18

Unknown

Total

Children児童数

132

374

681

1,062

1,197

849

334

4

4,633

Percent%

2.9

8.1

14.7

22.9

25.8

18.3

7.2

0.1

100

   厚生省2006            Resource: Statistics of the Health and Social Affairs, 2006

 

表12.虐待やネグレクトを受けた子どもの家庭

Table 12.  Types of the Abused and Neglected Children's Family

 

Numbers of children

児童数

Percent 

General family   一般家庭

1,173

25.3

Motherless family  母無し家庭

1,559

33.7

Fatherless family  父無し家庭

659

14.2

Unmarried parents未婚の親

85

1.8

Remarried family  再婚家庭

317

6.8

Relatives       親類

283

6.1

Illegal living together違法同居

227

4.9

Foster home   里親家庭

29

0.6

Adopted family  養親家庭

17

0.4

Institutional care  養護施設

88

1.9

Child-headed family

少年少女家長世帯

26

0.6

Unknown      不明

78

1.7

Others       その他

92

2.0

Total        計

4,633

100

   厚生省2006    Resource: Statistics of the Health and Social Affairs, 2006

 

 上の表に見せられるように、2005年の4,633人のうち、母親がいない家庭は33.7パーセン、父親がいない家庭は14.2パーセントでした。

 これらを合わせると約半分になり、児童虐待とネグレクトを起こすのは、混乱している家族でした。

 

 虐待者のタイプから見ると、父親が55.2パーセント、母親が23.7でした。まま父が0.8%、まま母が3.1%、養父母が0.6%でした。

 表13によると、最大の虐待者は、合計83.4パーセントの、親でした。

 

表13.虐待者のタイプ

Table 13. Types of the Abusers

 

Type of Abuser 虐待者

Number of Abuser虐待者の数

Percent

Parents

Father

2.554

55.2

Mother

1,098

23.7

Step father 継父

38

0.8

Step mother 継母

142

3.1

Adoptive father 養父

15

0.3

Adoptive mother 養母

15

0.3

Sub total  小計

3,862

83.4

Grand parents, Relatives, Others

祖父母、親類、他

Grand parents 祖父母

141

3.1

Relatives, sibling

親類、きょうだい

209

4.5

Teachers, neighbors, others先生、近所の人、他

421

9.0

 

Total 

4,633

100

    厚生省2006      Resource: Statistics of the Health and Social Affairs, 2006

 

 表14は、虐待者の性別と世代を表します。

 性別では、男性が64.5パーセントで、女性は34.6パーセントでした。0.9パーセントは不明でした。男性の虐待者は、女性の約2倍でした。

 虐待者の年齢について。40-49歳が40.2パーセント、30-39歳は33.0パーセントでした。全体として、30−49歳のグループが、全体の73.2%を占め、もっとも危険なグループでした。


表14.虐待者の性別と年齢

Table 14. Gender and Age Groups of the Abusers

 

 

Number of abuser

 虐待者の数

Percent

Sex 性別

Male 

2,984

64.5

Female

 10,000以上

 

Unknown 不明

 

 

 

Age groups

年齢

Under19 years of age

52

1.1

20 - 29 years of age 

289

6.2

30 - 39

1,529

33.0

40 - 49

1,862

40.2

50 - 59

349

7.5

60 - 69

105

2.3

Over 70 years of age

36

0.8

Unknown 不明

411

8.9

 

Total 

4,633

100

    厚生省2006         Resource: Statistics of the Health and Social Affairs, 2006

 

 経済的に見ると、虐待者の月収が150万ウォン未満の家庭が、全体の50%を占めています。

 そのため、表15で分かるとおり、貧困は家庭内の児童虐待とネグレクトの重要な要因の一つです。

 


表15.虐待家庭の経済状況

Table 15. Economic Statues of the Abusing Families

Means monthly income月収(ウォン)

Number of family 家族数

Percent

None or under 0.5 million Won 50万以下

1,136

24.5

0.5 million - one million Won 100万以下

747

16.1

one million - 1.5 million Won 150万以下

461

10.0

1.5 million - 2 million Won 200万以下

231

5.0

2 million - 2.5 million Won  250万以下

97

2.1

2.5 million - 3 million   300万以下

45

1.0

Over 3 million       300万超

38

0.8

Unknown          不明

1,878

40.5

Total            

4,633

100

  厚生省2006             Resource: Statistics of the Health and Social Affairs, 2006

 

W.家庭内暴力の中の児童虐待・ネグレクト

 

  私達は、家庭で安全に感じるはずです。しかし、

   (訳注:中略)

 

 児童虐待とネグレクトは世界的な現象です。

 1960年代の始め、ケンペKempeは、家庭内の児童虐待とネグレクトを受けた子どもを、「事故でなく、後見人から結果的に身体的障害を受けた子ども全て」と定義しました。

   (訳注:中略)

 

 家庭で児童虐待やネグレクトを受けた児童のうち、50.6%は月収150万ウォン未満の家庭でのことでした。一方、300万ウォン以上のその率は、合計のわずか0.8%でした。

   (訳注:中略)

 表16に示すように、ジェオン・サン・ヤング教授は、家庭内児童虐待とネグレクトの研究で、虐待者の特徴を報告しました。

 

 

 

 

表16.虐待者の特徴

Table 16. Characteristics of the Abusers

Characteristics 特徴

Number of abusers 虐待者数

Percent

Personality problems  人格的問題

663

10.2

Experience of abuse when he was young 

子どもの時に自分が虐待された経験

122

1.9

Alcoholic and drug abuse アルコール、麻薬

631

9.7

Physical and mental handicapped, mental illness

身体的・精神的障害、精神病

379

5.8

Unwanted baby  望まれない子ども

108

1.7

Maltreatment   手荒く扱う

1,166

17.9

Insufficiency of parenting skill and knowledge

養育技術と知識の不足

838

12.9

Marital conflict   夫婦の不和

485

7.4

Stress         ストレス

338

5.0

Social isolation   社会的孤独感

305

4.7

Economic problem 経済状態

643

9.9

Spouse violence and ascendant abuse 

家庭内・支配者の暴力

363

5.6

Man with criminal record 犯罪歴のある男性

96

1.5

Religious problem  宗教的問題

35

0.5

No specific characters 特徴なし

38

0.6

Unknown          不明

202

3.1

Others            その他

106

1.6

Total            

6,507

100

 

 家庭内の虐待者の特徴で、手荒く扱うのが父母の場合が17.9%。

 養育技術の不足が12.9%です。子育ての技術を教えることが、虐待とネグレクト防止につながります。

 虐待者の他の問題としては、個人的な問題が10.2%、アルコールと麻薬が9.7%、夫婦の不和が7.4%、身体的・精神的病気が5.8%、配偶者暴力が5.6%、ストレスが5%、子どもの頃に虐待された経験が1.9%、宗教上の問題が0.5%。

 これらの問題には、プロのカウンセリングと治療計画が必要です。

 最後に、経済的問題が9.9%、社会的孤独が4.7%です。

 

 

X.児童虐待とネグレクトを防止する計画の策定

 

1.親の力量の向上

 

 親を教育し、その力量を向上させることは、児童虐待の予防に緊急の課題です。

  社会のセーフティネット、保険、公的支援事業として、親に力をつけることが、重要な役割を果たします。

 行政は、健康な子育てのために、そして非常に傷つきやすい子どもだけではなく、一般的な子どもに対しても支援システムを開発するべきです。 

 最後に、それぞれの親も、自分が住む共同体の子どもを守るために、快くボランティア活動に参加するべきです。

 

2.行政として、早めに児童虐待とネグレクトの恐れがある家庭に介入するよう、防止システムを強化することです。

 児童虐待やネグレクトの防止と、子どもの健康カウンセリング、子ども保護サービス、攻撃されやすい家族のための自宅訪問看護婦システムの間の統合計画が、2006年〜2007年にテストされ、2008年から全国的に導入されるでしょう。

 

3.児童保護システムとその強化の統合システム

 児童虐待やネグレクトに対する早期の介入が、速やかに導入されるべきです。

  (訳注:中略)

 

4.児童虐待とネグレクトの防止のための広報

 

  TV、ラジオなどのメディアを使って、児童虐待とネグレクト防止のために、広報し、教育するべきです。

 

5.行方不明時の保護のための早期の介入

  

 公共広告と移動サービス、無認可託児所の定期的な評価を行い、行方不明児についての社会の理解を深めるために広報活動を強化するべきです。

 

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<仮訳者からの注記>

 これは、韓国里子養育父母協会Korean Foster Care Association, KFCA (韓国里親会)が開催した、「アジア子どもの権利と里親会議2006」(2006915()16()、韓国ソウル市)」における、発表論文英文を、パソコンの機械翻訳ソフトを使って日本語に翻訳したものである。

 ホームページ上での発表については、発表者及び韓国里子養育父母協会の承諾を得ている。

 役者はプロの翻訳家ではなく、必ずしも正確でない部分があるが、日本語の文献が少ない分野であるため、あえて公開することとした。

 何かの資料としてお使いになる場合には、原文を参照されるようにしていただきたい。

 英文の著作権は韓国里子養育父母協会、翻訳されたこの和文の著作権は翻訳者中兼正次にあるので、使用に当たってはそれぞれの承諾を得ていただきたい。

中兼正次 。