3.ひろがる小児マヒ
3. Spreading of Infantile Paralysis
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3 ひろがる小児マヒ
昨年春以来の恐るべき小児マヒの流行は,夕張市を中心に西北と東南にのび,全道各地へ目に見えぬ洪水のように広がっていった。旭川市の11月末の発病者数(隣接町村居住者で市内で決定隔離されたものを含む)は147人うち死亡8名,全道的には12月24日現在で発病者数1641人,うち106人の幼児が死亡した。どこからどのように拡がってゆくものか,その足跡さえつかめないような状態で世のお母さんたちを恐怖のどん底におとしいれている。
道内の各集団発生地は,伝染病予防法により「特別防疫対策指定地区」に指定され大がかりな消毒が行われた。旭川でも600万円の予算を計上し,自衛隊の協力を得て指定地区1200戸の大消毒をやったが,1戸当たりの経費が薬品代だけで約400円,労賃をいれると550円になり,旭川市の3カ年間の防疫費をわずか1週間で使い果たしての消毒には.いろいろ問題もあるようだ。
それに昨年の爆発的流行期にはワクチンの品不足のためお母さんたちを困らせた。聞くところによると今年も昨年以上の強いビールスによる流行があるといわれているが,ワクチンについて明るい見とおしのないのが問題だ。